2008.2.13
vol.8 アンチドーピングコントロール
夜中に家で抜き打ち検査

1月もあっという間に過ぎ去り、シーズンインが近づいているなと感じる今日このごろ。
いつものように、夕食を終えて歯磨きのついでにトイレに行き、ドアを開けたところにケータイ電話が鳴った。見覚えのない番号だったので、「誰かな?」と思いつつ、電話に出る。
「JADA(日本アンチ・ドーピング機構)ですが、アンチドーピングコントロールのために近くにいるのですが、家にいますか?」という。
いることを伝えると、もうすでに玄関先まで来ていて、「本当に家まで来たのか!」と驚きました。
私は、年に5〜8回ほどアンチドーピングコントロールを受けるのですが、ほとんどはレース後か、レースで滞在している宿泊先で行います。アテネオリンピックの前に1度だけオランダの滞在先にコントロールが来た経験がありますが、シーズンオフの日本で、しかも午後7時を過ぎてのこと、おまけにトイレに行ってしまった後だったので、コントロール終了までかなり時間がかかるなと少し憂鬱になりつつ、水を飲み始めました。
万一のときの申請用紙を常備する

昨年から私はアンチドーピング管理・運営システム(ADAMS)に自分の居場所情報を提出していて、予定が変更になればその都度修正申告している。はっきり言ってかなり面倒くさいと思いながらも、これも選手の義務なので、怠らず報告しています。
せっかくなので、検査員の方にいろいろと質問してみました。
まずは08年1月1日から、点滴という医療行為が禁止になったということを聞き、びっくりしました。
というのも、昨年のレース中に落車をして脳震盪を起こし、路上で救急隊員の方が腕に点滴を打ち病院に運ばれていきました。
昨年は処置を受けてそのままでも問題はありませんでしたが、もし今年そのようなことがあれば、たとえその点滴内容がドーピングのものでなくても違反となります。
「そんなケースではTUE(Therapeutic Use Exemptions)に記入してもらうと、規則をクリアできる」と言っていたので、「そのTUEという用紙はどこでもらえるのかな」と調べると、UCI(国際自転車競技連合)やJCF(日本自転車競技連盟)、WADA(国際アンチ・ドーピング機構)のサイトでこの用紙がダウンロードできることが分かりました。
もしレース中にアクシデントがあれば、点滴を打たなければいけなくなる可能性もあります。私は国内より海外でのレース活動がほとんどなので、後でこの用紙に書いてもらうとなれば、レースする国もさまざまだし、言葉もそんなときにペラペラしゃべれるか分からないので、この用紙を常にレースバッグに持っていれば役にたつかもしれないと思い、さっそく喘息のTUEと一緒に常に持つようにしました。
さらに海外では検査員の言葉が国によって違うので、よく分からなければ「通訳をつけてください」とお願いできること、用紙に英語などで書けない場合は日本語で書いても大丈夫と教えてもらいました。
本当にこのようなルール改正や対応を知っておかないと大変なことになりかねないので、今回この話を聞くことができて勉強になりました。

■ 今後の参戦予定
- 2月21〜22日ジーロングツアー(オーストラリア)
- 2月24日ワールドカップ第1戦ジーロング大会(オーストラリア)
- 2月27日〜3月2日ツアー・オブ・ニュージーランド
- 3月 8日グランプレミオ・ブリサグラーゴマッジォーレ(スイス)
- 3月 8日コミューネ・ディ・コルナレード(イタリア)
- 3月16日シルキュイ・ヘットフォルク(ベルギー)
- 3月24日ワールドカップ第2戦アルフレド・ビンダ杯(イタリア)
- 3月29日ジロ・デル・モンテスキュダイオリパルベッラ(イタリア)
- 3月30日ジロ・デル・カステリーナ(イタリア)
もっとドーピングのことを知っておきたい
ドーピングってなんか、何か遠い話のような感じがします。
でも、知識が足りなかったり、間違えたりで禁止薬を使用してしまうことが絶対にないとは言えないので、故意ではなくても陽性になってしまいます。
先日気がついたのですが、私が出場していたレースで上位の選手が陽性となったので私の成績が繰り上げになり、なんの実感もなくステージ3位のUCIポイントが加算されました。
UCIポイントがもらえたのは本当にありがたいし、その選手がどんな項目で陽性になったか分かりませんが、知らない選手ではないので残念です。
選手も生身の人間なので体調も壊すし怪我もしたりします。
「安易に薬も飲めないので常に慎重にならないといけない」と検査員の方と話しているうちに、尿意をもよおしてきたのでトイレに行き、なんとか必要用量が出たので書類に手続きをしてやっと終了しました。
そして最後に、この書類の控えは8年間保管しておかなければいけないのも今回知りました。
約3時間かかり、検査員もホッとして帰っていきましたが、そのコントロールで1日が長く感じてしまいました。
それにしても、もっとドーピング検査について知っておかないといけないなと思った1日でした。
オリンピックイヤーとなる08シーズンもいよいよ開幕。女子ロードレースは5月末まで五輪枠取り合戦が展開される。
沖が持つ世界ランキングによって1枠は確実。あとは主要レースでポイントを加算して2枠目を。
すべては沖の活躍にゆだねられるだろう。集大成のときを迎えるミホねえを応援しよう。
(編集部)

