「なんか集中力が沸いてこなくて…」

1週間に及ぶ「ツアー・オブ・ジャパン」を終えた2日後のこと。「なんか思考能力が沸いてこないんですよ〜」とチームミヤタの栗村修監督はかなりお疲れの様子だった。かくいう私も、終わった翌日は廃人のようにぼ〜としてしまい、頭が回ってない状態。結局難しいメールの返答もできず、銀行に行ったり、資料を片付けたりと頭を使わない仕事で終わってしまった。ついでに家の近くで広報チームのスタッフに偶然出会う。「いやー今日なんかデスクについても仕事にならなくて、ちょっと会社抜け出してサボっているんですよ〜」って。みな、立場は違ってもかなりお疲れモードで、社会復帰が厳しいらしい。
サイクルロードレースには、1日で終わる「1Dayレース」と、数日〜数週間に渡って行われる「ステージレース」がある。複数日続くステージレースは選手の負担はもちろんだが、運営者への負担も大きい。日本では「ツール・ド・北海道」と「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)」が最大規模のステージレースだが、大阪や東京で開催されるTOJは運営管理も大変なのだ。そのためか、大阪から始まり、翌週末に東京に来るころには選手以上に関係者の表情も疲労と日焼けで精悍に見える。中身はボロボロなのだが…。

ツアー・オブ・ジャパンの実況&解説陣。右から今中大介、白戸、ガラパこと芦田千里
レース終了3日後に、一緒に会場MCをやっていたガラパからメールがきた。「帰ってから昨日までなんだかぼーーーーっとしてしまって」。あれっ、あんなに元気だったガラパまで!? それも3日も社会復帰できていないなんて、期間中エネルギッシュだっただけにその反動も大きいようだ。そして皆に共通するのは体力的な疲れでなく、抜け殻のように精神的脱力感を味わっているところ。
もしかしてこれってステージレース後遺症!?

1週間のレースでこれなんだから、3週間も続くようなジロやツールはどうなっているのか? 途中でお休みを取ったり自宅に帰ったりするそうだが、それでも3週間終了後の精神的な虚脱感は相当なものだろう。ちょっと体験してみたいような、恐ろしそうな…。そういう目で見ると、海外のステージレースもちょっと違った見方がある。チーム関係者も、主催者も、メディアもみな同じ人間のなのだ。
ある選手にそんな虚脱感の話をするとこんなメールが返ってきた。
「TOJボケはスタッフの方々も同じなんですね。私は4日たってようやく日々の生活に戻りつつあります」
やはり当たり前ですが、一番大変なのは選手のようで…。

