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■ 2007.11.06

vol.7「ジャラベール、アイアンマンに挑戦!」

あこがれのハワイ大会

白戸太朗も本番モード。愛車はチネリ

白戸太朗も本番モード。愛車はチネリ

自転車好きの方なら「アイアンマン」という言葉はご存知だろう。そう、トライアスロンの中でも長い距離で争う人気のシリーズで、現在は世界各国で年間20レース以上開催されている。スイム3.8km、バイク180km、ランニング42.195kmを継続して行う壮大なレースは、10月のハワイで開催されるレースが世界選手権として頂点に位置づけられている。

この大会に出場するために世界中のアスリートが、時間と労力とお金をかけて日々努力してくいるわけである。

トランジションエリアに並んだバイク

トランジションエリアに並んだバイク

私もこのレースを目標において活動しているのだが、年々忙しくなる生活の中で、どこのレースで出場権を取るかが大きな問題になる。そう、ハワイ大会に出場するためには世界中で開催されている他のアイアンマンで出場権を取得するしかない。つまり1年に2度レースすることが必須となるのだ。

それだけにここに出場する人は、大会への思い入れも深く、人生の大きな目標としている人も多い。また、それを支える家族や、仲間もその重さをよく理解しないととてもじゃないが継続できない。

そして本人も観客もこのレースの重要性をよく知っているから、その盛り上がりは尋常ではないのが理解いただけるだろう。普段は静かなハワイ島コナの街も、この時期だけはアスリートと観客の熱気でムンムンしているのだ。

ツールのジャジャが参戦

ジャラベール。ニックネームは「パンダ」

ジャラベール。ニックネームは「パンダ」

そんな盛り上がりの中で、今年話題になっていたのが「ジャジャ」ことローラン・ジャラベールの出場。ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアで数々の勝利を飾り、ロードレースの世界で頂点に君臨していた男が、今年はアイアンマンにチャレンジしているのだ。

「ジャジャがマラソンにチャレンジし、3時間を切った」というニュースは記憶に新しいが、実はそれはアイアンマンへのチャレンジのほんのアプローチにしか過ぎなかった。

そして、今年6月に開催されたスイスのアイアンマンでは、スイムこそ大きく出遅れたものの、バイクで素晴らしい追い上げを見せ、ランでも3時間11分と信じられないタイムでカバー。驚異的なデビューを飾っているのである。

一つのスポーツを極めた男がどこまで本気で狙えるのか? 最初は懐疑的だった周囲も、この走りに彼の本気度を見せ付けられた。確かに今年7月のツール・ド・フランス中継でレポーターを務める彼の顔は精悍に絞られていて、丸くなった顔で登場する過去の名選手とは明らかに違った。

ちなみに過去にもアイアンマンにチャレンジしたトップサイクリストは例があったが、彼ほどのスター選手がチャレンジしたことはない。そんな彼がどこまで走るのか…。注目が集まるのも当然だった。

抜かれたのに気づかない!

取材陣を引き連れてジャラベール登場

取材陣を引き連れてジャラベール登場

レース前日、バイクチェックイン時に彼に会ったが、多くのメディアを引きつれてスター選手のオーラを放つ。そして、メディアの扱いには慣れているよと言わんばかりの余裕の表情。バイクは「Look 496」にZIPPのディープホイールで、ポジションは意外にオーソドックス。スイムは私の方が速いので、バイクコースのどこかで抜かれるはずだから、このバイクをよく覚えておこうと目に焼き付けてホテルに戻る。

ジャジャバイク。現役時と同じルックだ

ジャジャバイク。現役時と同じルックだ

スイムスタート。パンダがおぼれてる!

スイムスタート。パンダがおぼれてる!

しかし翌日のレースで彼を確認することはなかった。いや、見たのかもしれないが速すぎてジャラベールだと認識する暇がなかったのかもしれない。いずれにしてもランで気付いた時に彼は随分前を走っていた。

どこかでジャジャに抜かれたバイクパート

どこかでジャジャに抜かれたバイクパート

スイム1:15:40、バイク 4:45:49、ラン3:10:08。トータル9:19:58で 76位。やはり彼は凄かった。

ちなみにこの順位は、日本のプロでは4位に位置する。このスポーツだけを追いかけてきている選手の一角をあっさり崩すこの走り。バイクはもちろんだが、その後のランでも崩れないところに非凡さを感じる。こんな人がもう少しまじめに取り組んだらどうなることか…。

ランを走る白戸。ジャジャはもう見えない

ランを走る白戸。ジャジャはもう見えない

そんな期待と不安は、翌日のインタビューであっさりと一蹴された。
「いやー、このスポーツをやるのは練習が大変で、苦しかったので続けるつもりはない…」

おっと、そのスポーツを20年やっている私の立場は!?

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