2007.08.31
世の中には色んな自転車があるように、その自転車を楽しむ人々や方法も実に様々。どんなバイクに乗り、どんなコダワリがあるのか。それぞれのスタイルで人生を楽しむサイクリストをピックアップして、そのライフスタイルとバイクを紹介する「CycleStyle Snap」 第5回はMTBを担いでネパールにまで行ってしまう女性マウンテンバイカーが登場。
マウンテンバイクでトレイルを走ることが大好きな彼女は、
MTBラリーレイド"とれとればいく"に夢中
熊野さんとスポーツバイクとの出会いは約3年前。それまで乗っていた通勤用自転車が壊れたのでマウンテンバイクを購入したのがきっかけ。それまでスキーなど各種ウインタースポーツ、登山などを楽しんでいた生粋のアウトドアウーマンである熊野さんはMTBツアーに参加し、マウンテンバイクでトレイルを駆けることにハマってしまう。
今では週末がくるとクルマに愛車ロッキーマウンテンを積み込み、色々な場所でダートを楽しんでいる。その行動範囲は想像を超えて広く、日本のみならずネパールでのMTBラリーにも参加したことがあるという。
最近はMTBラリーレイド「とれとればいく」に夢中だ。「とれとればいく」とは、トレイル・トレース・バイキングの略で、2万5千分の1の地図を読みながら大自然のシングルトラックを走り、ゴールを目指すアドベンチャーレース。川渡り、担ぎ、ダウンヒルと自然とマウンテンバイクをめいっぱい楽しめるイベントだ。渡されたルートマップにローカルルールや必要な情報などを書き込んでオリジナルマップを作り、それを持ってルートを探しながらチェックポイントを順番に回り、規定の時間内にゴールへ到着する。シリーズ戦も開催されており、熊野さんはほとんどのレースに出場している。
今年のゴールデンウィークには、とれとれシリーズの最終戦「とれとれオブシディアン」にも参加した。三重県、岐阜県、滋賀県、福井県を舞台とし、太平洋から日本海まで全てダートを走破する壮大なMTBツアーだ。
「一緒に走る仲間達は本当に楽しむことが上手なんです。彼らと山を走っていると多様な楽しみ方を教えられるし、色々な世界があるということを実感できます。」
あふれるバイタリティと好奇心
「自転車に乗れるだけで楽しいんです」
さらに今年3月、「ロードに乗っている仲間と一緒に遊びたい」とロードバイクを購入、買った直後に佐渡ロングライド210に参加し、見事完走する。
「ロードバイクの、マウンテンバイクにはない滑るような走行感が好きですね」
集団でハイスピードで走ったときは本当に気持ちよかった、と話す熊野さん。
「おいしいお刺身屋さんが目当てだったんですが(笑)」と横浜から箱根、修善寺を越えて松崎まで走ったり、富士山の麓を一周したりと、そのバイタリティはとどまるところを知らない。
「仲間から、『あなたは自転車に乗っているとニコニコしているから、もうずっと乗っていなさい』って言われるんですよ」と笑う。
手にコンパスを巻きつけ、ハンドルに地図を挟むクリップを付けたロッキーマウンテンで、彼女は今日もどこかの山でシングルトラックを楽しんでいることだろう。
自転車歴3年。「乗っているだけで楽しいんです」と美しい笑顔を見せる女性に、順位やタイムや機材に目を奪われがちの歴8年の筆者は "サイクリストとしてあるべき姿" を教えられた気がした。


熊野尚美/北海道出身/会社員
札幌出身で幼いころからスキーを楽しむスポーツウーマン。数々のアウトドアスポーツを経験するが、今はマウンテンバイクでトレイルを駆けることに夢中。清らかさを感じさせる魅力的な笑顔は、大自然との触れ合いによるものだろうか。

「自転車用のレディースウエアって本当に少ないですよね。あってもピンクとか花柄とか…普段は速乾性のあるTシャツなどで走っています。」
今日はブリコのレディースジャージにアディダスのレーサーパンツ。サングラスはオークリー。スマートウールのウエアやソックスがお気に入りだとか。

ROCKY MOUNTAIN VERTEX 50
「かなり気に入ってます。長く乗りたい」というROCKY MOUNTAIN VERTEX 50は、EASTONの軽量アルミチューブで作られたハードテイルバイク。とれとればいく参加中にエンドを折り、担いで下らなければならなくなった経験からスペアのエンドをいつも持ち歩いているという。「いっそのことエンドをペンダントトップにしようかな」と悪戯っぽく笑う。リアディレイラーは新型XTに交換。フォークを軽いものにしたいのだとか。
「冬の泥が詰まって凍ると本当にはまらなくなるんですよ」という熊野さんのペダルはクランクブラザーズ。泥詰まりしにくいので愛用している。


