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CycleStyle Snaps 「自転車のある人生が大好き!」な人々の愛車&ライフスタイルを紹介

2008.2.29

大親友のグレッグ・レモンとともに
スポーツを通してみんなの
環境に対する意識を変えたい。
Snap8:岡田達雄(おかだ たつお)さん/グローバル・スポーツ・アライアンス常任理事

充実した自転車ライフを楽しむ人たちを紹介するコーナー。第8回は、自転車をはじめとしたスポーツイベントを通して、環境に対する意識の向上やフェアプレー精神を訴える岡田達雄さんをクローズアップ。
自転車で走るのが大好きなサイクリストであり、あのスーパースターと大親友なのである。

スポーツを通して自然を肌で感じることで
環境を大切にする気持ちを

岡田達雄さんは世界中の多くのスポーツ愛好家とともに、たくさんの人に環境に対する意識を高め「エコプレーヤー」になろうと呼びかけている。1999年に日本でグローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)を設立。現在は27カ国、74チーム(2008年2月10日現在)が岡田さんの意見に賛同し、ともに活動を広げている。「エコプレー」とは、自然を守り、省エネ・省資源すること。

岡田さんがGSAを作ろうと思ったきっかけは、環境に悪いということがわかっていても、多くの人が行動を変えない現実に気がついた時だ。それを岡田さんは「知識と行動のギャップ」と呼んだ。そしてなぜこのギャップがあるのか疑問を持った。
「学校や家庭で小さい頃に教えられた知識や知恵が大人になってから生かされていない。私たちがこのままどんどん環境を悪くしていけば、私たちの子供、あるいは未来に影響が出てしまう。一人一人が社会を作っていく大切な存在だと言う自覚を持ってほしい」
そんな思いをつのらせた。

岡田さんが活動するGSAでは、スポーツ愛好家として、消費者として、職業者として、この3つを意識の柱として掲げている。この3つの柱を中心にして、人々に環境に対する意識を高めていくことを呼びかけているのだ。
今回はこの3つの意識の中でも「スポーツ愛好家として」の岡田さんの活動を中心に読者の方々に自転車の可能性をお伝えしていきたいと思う。

岡田さんは「スポーツ愛好家として環境に対して少しでも意識を向けてほしい」という思いを「エコフラッグ」という緑色の旗に託した。エコフラッグが持つ意味は、豊かな自然、スポーツマンシップ、そして環境を大切にする気持ち。
その「気持ち」が自然に持てるようになったら一人前の「エコプレーヤー」、周りの人たちにも伝えていくことができる。岡田さんは学校の運動会からさまざまなスポーツの世界選手権にいたるまでこのエコフラッグを掲げて環境に対する意識を呼びかけているのだ。

あのグレッグ・レモンとは大親友
自転車イベントでもエコフラッグ

あらゆるスポーツイベントでエコフラッグが掲げられる。そして、その中にはもちろん自転車イベントも多く含まれているのだ。
AEC(ヨーロッパ・サイクリング協会)が毎年夏に開催する「みんなのためのサイクリングイベント」や、アメリカのアリゾナ州で開催されるエル・ツアー・デ・ツーソン。そして国内ではツール・ド・草津、日本サイクリング協会が主催する東京シティサイクリングやMt.Fuji エコサイクリングなどでエコフラッグを掲げた。

大きなイベントだけにゲストも豪華だ。Mt.Fuji エコサイクリングのゲストは今中大介、二代目自転車名人でもある俳優の鶴見辰吾、世界選手権10連覇の中野浩一。
そしてエル・ツアー・デ・ツーソンではツール・ド・フランス3勝、世界選手権2勝のグレッグ・レモン(元プロロードレーサー)、49歳にして女子レースのトップクラスを維持するフランスのジニー・ロンゴ、パラリンピック選手のグレッグ・ホッケンスミスがゲストに呼ばれ、交流を深めているという。
中でもレモンはとても親しい友人でもある。レモン一家を日本に招き、富士山に登ったり、一緒にサイクリングに出かけたりするほどの仲なのだ。

そんな岡田さん、バリバリのスポーツ選手だったというわけではないという。ヨット、スキー、サイクリング、テニスなどアウトドアスポーツは大好きだが、アスリートとしてではなく、あくまでスポーツ愛好家として楽しむ程度だ。
だからこそ、レモンとも自然に「スポーツ仲間という目線」で話ができた。
「たくさんの著名なスポーツ選手がボクと交流を深めていただけるのは、ボク自身がアスリートでなかったというのが大きいんでしょうね」
今日までの活動を、ふとした表情で振り返る。

グレッグ・レモンが90年に着用したアルカンシエル

渋谷のオフィスには、グレッグ・レモンが90年に着用したアルカンシエル(世界チャンピオンジャージ)が飾られている。そんな岡田さんの愛車はもちろんレモンブランドのスチールモデル、ポップラッドだ。

第25回エル・ツアー・デ・ツーソンにはロードバイクで参加。

07年11月14日から16日まで行われた第25回エル・ツアー・デ・ツーソンにはロードバイクで参加。乾燥した大地を疾駆した。ゴール後は一緒にツーソン市街を走ったハンドサイクリストのホッケンスミスらとゴール後に「乾杯!」

自転車は乗るだけでエコプレー
空気のきれいな地球でサイクリングしたい

一人一人がスポーツ愛好者になることによって、真のスポーツマンシップを知る。公正な態度、ルールやマナーなどを身につけることがスポーツマンシップだ。
環境も公正なマナーやルールをしっかり守ることによって維持することができる。だからこそ、岡田さんはスポーツ愛好家の方たちとともにエコを訴える。一人一人が普段の生活の中においても意識を持ち、豊かな自然を守って省エネ・省資源を実践する。これをGSAでは「エコプレー」と呼んでいる。

その中でも岡田さんは「自転車は乗るだけでエコプレーになります」と話す。渋滞を気にせず目的地まで行ける。自分自身の健康にもいい。そしてよりも排気ガスも二酸化炭素も排出しないのだから、地球温暖化を悪化させる心配はまったくない。
岡田さんは東京に暮らしていると「もっと、きれいな水、空気になってほしい」とつくづく思うという。

現在は渋谷にあるGSA事務局まで徒歩で通う。岡田さんは「本当は自転車で来たいが、やはり東京で自転車に乗ることはそう簡単ではない。車も歩行者も多い。もっと自転車道や交通機関が整備されれば自分も、人々も、いくらでも自転車に乗るのに。これから自転車の重要性も呼びかけていきたいと思っています」とやさしい表情で話す。

こうした岡田さんの思いはサイクリストならだれでも感じている問題だろう。未来につながる、最高の乗り物を東京中の人々が気軽に乗れる環境ができる。岡田さんをはじめとする呼びかけによって、実現される日は、そう遠い話ではないのかもしれない。

02年、岡田さんは富士山頂にグレッグとその家族を案内した。そのとき、環境に対する自分の思いや日本の文化を、富士山から眺める美しい景色とともに伝えたという。
その他にも国内外を問わず著名なスポーツ選手やたくさんの人々を富士山に案内した。そして、人々は岡田さんの環境に対する純粋な思いに心を打たれた。

GSAを創設したときはたった一つのオフィスしかなかった。しかし、現在では世界中に拠点を持つ組織となった。
いつか、世界中すべての国やあらゆる地域にGSAの拠点が設立され、世界中の人々がエコフラッグを掲げるようになったとき、私たちの飲む水、空気は今よりきれいになっているだろうか。
自転車でサイクリングに出かけたとき、東京でも「空気がおいしいな」と思うことができるだろうか。
そんな瞬間を私たち世界中の人々が感じられるようになるまで、岡田さんの環境への呼びかけはこれからも続いていくのである。

岡田達雄

岡田達雄

岡田達雄さん/特定非営利活動法人(NPO法人)「グローバル・スポーツ・アライアンス」常任理事。国際ロータリー第2750地区2007/2008年度環境保全委員長。財団法人日本セーリング連盟環境委員長

1953年東京生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、アメリカに留学。79年カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で修士号、82年カリフォルニア大学ロサンゼルス校で材料科学・工学博士号を取得。Ph.D.
京セラ株式会社を経て、大規模スキーリゾートの開発を担当。その開発現場で、科学の知識や先人の知恵を無視して目先の利益を優先する建設業や農業を目の当たりにして現代文明の本質的問題に気づく。99年11月、NPO法人グローバル・スポーツ・アライアンスを設立し、環境変化の影響を直接受けるスポーツ愛好家を対象とした啓発活動を開始。UNEPなどと協力して、スポーツマンシップの一環として、自然を守り、省エネ・省資源する「エコプレー」というコンセプトを世界中に普及している。著書に「跳べ!エコフラッグ」(ワック出版、03年)
http://www.gsa.or.jp/

参加賞のメダルの裏面にも岡田さんの顔が…。

07年のエル・ツアー・デ・ツーソンではスポーツを通じた環境保全運動の功績を大きく評価されて表彰された。参加賞のメダルの裏面にも岡田さんの顔が…。

チームミヤタのキャプテンとして活躍した柿沼章とも交流がある。

07年までチームミヤタのキャプテンとして活躍した柿沼章とも交流がある。その活動に共感した同チームがレース会場でエコフラッグを掲げたのはこのため。柿沼自身は今季、ブリヂストン・アンカーに移籍したが、「新しい環境でもエコフラッグを掲げることができるように、高い意識を持って活動を継続したい」という。

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